水彩色鉛筆に適さない紙?

水彩色鉛筆にはどんな紙が良いのかを考えると、私は水彩紙が良いと思っていましたし、水彩色鉛筆の本やサイトでも多くすすめられています。

私が水彩紙を良いとする一番の理由は、水を含ませることで生じてしまう紙の波打ちをおさえてくれるからです。きれいに描いた作品も、水を吸って紙が波打ちしてしまっては台無しです。

他にも、水でのばした後のにじみ具合、吸水性、描き心地など……水彩紙を使ったほうが水彩色鉛筆の性能を生かせると思います。水彩紙を使って描くメリットは十分にあります。




とはいえ……本当に水彩紙以外ではいけないのでしょうか?実は、『はじめてのジャコ』は画用紙に描いたものですし、また、マンガの原稿用紙はそこそこの厚みがあるので、もしかしたら使えるのかもしれません。

このように実例や可能性もあるので、今回は水彩紙以外に使える用紙があるのかどうか、または波打ち具合などを確認するために、様々な用紙を試してみたいと思います!

余談ですが……途中で疲れが見える絵もありますが、4枚ほどペン入れして色を塗るなど、力をこめた記事です(笑)。


■テスト環境

各用紙に、ペン(タチカワ:スクールG)でキャラクターを描き、水彩色鉛筆として定評があるアルブレヒトデューラーを使用。

塗り方は水を多く使い、紙への負担も大きい重ね塗り。背景には水彩色鉛筆の芯から直接ぬぐったものを、水筆でのばしながら塗った。

スキャナーではふたを閉じずに写真画質で撮り込み。さらに、波打ち具合がわかるように、用紙の裏から撮り込んだものをコントラスト調整した。


■コピー用紙




「もはやシワというレベル……」


まずはコピー用紙から。やはり薄いこともあるのか、かなりの波打ち……「ぼこぼこ」しているというより、もはや「しわくちゃ」というレベル。

色鉛筆としての描き心地は、芯が滑ってしまうような感覚で描きにくく、色ものりにくい。水筆でのばすと、色が流れてしまいます。重ね塗りも水を吸った紙が弱まっていて難しい。

よほどの理由がない限りは、コピー用紙で水彩色鉛筆を使うのは避けたほうが良いと思いますが……。


■I・C(アイシー):漫画原稿用紙135Kg



「ベタを入れることもあるからなのか、波打ちは少なめ!」


次は個人的に期待している、漫画原稿用紙。確かに波打ちはあるのですが、予想以上に波打ちが少なく、見た目にはあまりぼこぼこしていないように思います。

色鉛筆としての描き心地は、さらさらとして引っかかりがない……滑ってしまうほどありませんが、好みが分かれそうです。水筆でのばすと流れてしまいますが、水を吸ってもそれほど弱くなっておらず、重ね塗りはまずまずできそうです。

描き心地は個人的には好きではないのですが、仕上がりの波打ちは少なめなので、使ってみる価値はあるかもしれません。余談ですが、ペン入れ後になかなか乾かず、スクールGのインクとの相性が悪いことが気になりました。


■画用紙



「意外に波打ちをしました……」


スケッチ用の何十枚も重なっている画用紙を使ってみました。作品用というよりラフに描きこんでいくような画用紙ですので、厚みはそれほどありません。それもあるのか、思ったよりも波打ちがあって、ぱっと見てもぼこぼこしているとわかるぐらい。画像がぼやけているのは紙が反ってしまってスキャンする面から浮いているためです。

水彩色鉛筆の描き心地はかなり引っかかりが強く、描いた箇所は濃くなってしまって、濃度調整がうまくできませんでした。水筆でのばそうとすると、吸水が早いせいか全くのびず、水を置いたところからにじんでいきます。重ね塗りはまずます。

この画用紙は思ったような仕上がりになりませんでしたが、画用紙にも種類があるので、もしかしたら使える画用紙もあるのかもしれません。実際に画用紙に描かれている方もいらっしゃいますし、『はじめてのジャコ』を描いた画用紙は違うものでした。


■マルマン:コットマン



「水彩紙とはいえ、多少の波打ちはありますが……」


参考に、水彩紙を使ってどの程度、波打ちがおさえられるかも試してみました。思いつきだったので、ペンは使いませんでしたが(汗)。

水彩紙とはいえ、多少は水を吸った影響なのか紙が反っているような感じもあり、特に多くの水を吸わせた背景は若干へこんでいます。それでも、これまでの紙に比べると波打ちはかなりおさえられています。

何より、水彩色鉛筆の描き心地も良くて、適度なひっかかりと色ののり具合、水筆でのばした場合にも、ほど良くのびながらもぼかすことができる、個人的にはとても描きやすい紙だと思います。描き心地に関しては、水彩紙なら全部というわけではなく、種類によってクセがあるので注意して下さい。


■まとめ

結果として、コットマン以外の用紙では、漫画原稿用紙は健闘したものの、波打ちが目立つ結果になってしまいました。また、描き心地に関しても、コットマンが一番良かったということでした。う~ん、残念!

とはいえ……今回のコラムを企画したのは、はじめて水彩色鉛筆を使いはじめたときの思いから。はじめてのジャコ』を描いたとき、どの用紙を使えば良いのかがわかりませんでした。そのヒントになれればと思ったんですね。

水彩紙以外の紙に描く理由もあるかと思いますし、それが良いということもあるかと思います。それでも、もし試したことがないのであれば、一度は水彩紙を使って描いてみることをおすすめします。


■参考リンク

はじめてのジャコ(画用紙に描いた作品)

・ダイソー:水彩画用スケッチブック(水彩紙に近い用紙で気軽に使える)

コットマン|プロダクト|マルマン株式会社(参考に用いた水彩紙)

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